2020年3月17日(火)

イングリッシュコッカースパニエル
青年期真っ只中のマヤ2才。ツヤツヤのピカピカ。目元もキュッ。

シャッタースピード:Max 1/8000 高速連写枚数:10コマ/秒 連続撮影可能枚数:最大177枚
これが私のカメラ、SONY α7IIIのスペックである。海外旅行先でシャッターチャンスを逃したくなくて、大枚はたいて先代の愛機Canon EOS80Dから買い換えた。

だというのに、老犬介護で旅行ができなくなったために、我が家に来てからα7IIIが写したものはといえば、眠っているかボーッと突っ立っているだけの老犬のみ……。そんな被写体、シャッター速度1/30秒でもブレないだろう。オーバースペックもいいところだ。

そんなルーズ&レイジーな老犬の写真をここで紹介しても「違いは目やにの位置と白目のむき具合と寝ている布団のシワの位置くらい」という哀しみのギャラリーが完成してしまうだろう。

よって今後は1万枚は軽く超えている膨大なマヤマヤ過去写真ストックから、年月別に分類したフォルダを目を閉じてクリック。マウスポインタが指し示した「きょうのひと月」フォルダから選んだものをアップさせて頂こうと思う。

それにしてもマヤがミキ家の一員になってから16年と9ヶ月、どれだけの写真を撮ったんだろう?2万枚?3万枚?と思いながらフォルダをチェックしたところ、「2006年」が空っぽなことに驚いた。

2006年。母のアルツハイマー進行に伴い、尋常ではなく大変になってきた介護に心身が擦り切れて、家族そろって限界突破xサバイバーだった年だ。
何もなければひと月に自分のワンチャンの写真を700枚撮る人間でも、心のゆとりを失えばたった一枚の写真すら撮らなく、いや撮れなくなってしまうものなのだなあ……と、当時をしみじみ振り返る。

いやもう本当に、マジで冗談抜きで記憶が飛びがちなほど大変だった……。
それでも振り返ってみれば、みんながもう少し幸せでいられる上手いやりようもあっただろうに、と後悔も多めの介護ライフ。

そして喧嘩ばかりの家族の中にあって、人間の苛立ちと悲嘆の波をもろにかぶった繊細なマヤはといえば、一撃必殺!とばかりに喉元めがけて飛びかかってくるような恐怖の噛み犬となり、家族の一員としてしっかり現場をひっかき回してくれるのだが、そのお話はまたそのうちに。

キョトンとした子犬の頃、「やったるで!」という溌剌とした若犬の頃。
空っぽの2006年フォルダ、そして眠っている写真が増えたこの1、2年のフォルダ。
見直してみると足元で眠っている老犬が、五人の人間で構成された小さな家族と共に歩んだこの16年9ヶ月がしみじみ心に迫ってくる。

こんなに長い間がんばってくれたんだから、寝てばかりいるようになっても当たり前だな。
そしてSONY α7IIIのシャッタースピードは1/30でもいいから、2020年も2021年も、ひょっとすると2022年も、マヤマヤ写真フォルダの中身を増やしていきたいと思ったりするのだ。

インギー
神妙な顔。こうしていると猟犬らしい。
イングリッシュコッカー
ぼくもおせち、いただけますか?
母とマヤ
アルツハイマー発病後2年目の母と。この頃はまだ「奇跡が起きるんじゃないか」と心のどこかで思っていた。
インギー
箱があればとりあえず入る
インギー
はみ出しながらキリッとされましても……。
イングリッシュコッカー
キウイ研究会の箱をガムテープで補強してやったのはマヤマニアの父(でも一番よく噛まれていた)
インギー
じゃあまた会おうね!