2022年7月16日(土)<旧サイト2019年9月5日記述分です>

獣医さんに「ポケモンみたいですね!」と言われたよ。

やっと涼しくなったと思ったら突然夏の暑さが戻ったせいだろうか、マヤの認知症が悪化しており私もヘボピーもヘトヘトだ。

年のせいで片道1時間強の通勤だけでも厳しくなってきたところへ、介護のヘヴィ化はこたえるものだ。

家にたどり着き玄関を開けるや否や始まる部屋の掃除。
普通犬は自分の排泄物は避けて歩くものだが、認知症ではそれがかなわず、ドアを開けるとそこは阿鼻叫喚ルーム。

まずは足の踏み場を確保するためにざっと掃除してから散歩とご飯。
一息ついたら本格的な掃除。クッションフロアを洗い、その下に敷き詰めてある数十枚のペットシーツをチェック&交換。
掃除機をかけてひとまず部屋をヒトの居住に適する状態まで戻すのだが、この時点で9時近い。

そこからシャワーを浴びて自分の食事を済ませ、何があろうと11時前には布団にもぐり込む。
そうでないと深夜に幕を開ける「ミッドナイトパンティング&グルグルウォーキング大会 produced by マヤ・ザ・コッカー!」に参加する体力がもたないのだ。

昨夜のウォーキング大会はいつにも増して激しかった。
寝室に置いていると自分の就寝がミッションインポッシブルになるため、犬を隣の部屋に放り出したはいいが、そこでもあっちにぶつかりドーン!こっちのものを倒してバーン!挙げ句の果ては「じしんみず(※)」の洗面器に尻もちをついて、深夜3時に洗面所は水浸し。控えめに言って泣きそうになった。

※じしんみず(地震水)……勤務中に地震が起きて帰宅できない間、最低限水だけは飲めるようにバケツにくんで置いてある水のことです。

床を拭いている間もマヤ・ザ・コッカーの熱演は止まらない。
グルグル、バタバタ、バーン!ドーン!思いついたところでジャーッと放尿。さらにはそれを拭いていることを認識できないから、突進してきて手を踏みつける。

もうー!イヤッ!と深夜のリビングで(小さな声で)叫んではみたが虚しくなるばかり。
「牛になってはなりません」(モーと鳴く意味で)という老犬介護の心得が頭によぎる。

そうだそうだ、犬に腹を立てても仕方がないし、寝たきりよりも徘徊の方が私的にはまだマシだから辛抱しよう。

お母さんが徘徊していた時もしんどかったなあ、人も犬もボケたら同じだなあ、と壁に向かって歩き続けては後ろ向きに転倒する母の姿を思い出していた。

それにしても今夜のコンサートは熱すぎる。
これはもう安定剤の出番だな……。と水薬の入ったシリンジを手に取った直後、ポテンとその場に座り込んだマヤ、秒で寝息を立て始めた。

いやもう介護って想像以上に大変だ。それでも我が家は夜鳴きがないから救われている。

ツイッターにあふれている、老いた愛犬に手を焼く人々の嘆きと諦観とそれを越える愛に触れながら、マヤに「最後の時までできることは全部やってやるからね」と話しかけつつ今日も粗相の始末をしているのだ。

2,3年前、まだちょっとは走れた頃。ぬいぐるみ味ある。
目覚めるとそこにふかふかまんじゅういぬが転がっていた時の気持ち、お分かりでしょうか。
認知症のせいでわんわん美容室が引き受けてくれないから、今ではこんなにきれいな「もんも」を作れないのが残念だ。
去年はスタスタ歩けていた。 人間の約4倍のスピードで年を取る犬は、あっという間に変化する。その変化が哀しくまた愛おしいのだけれども。